碧巌録(へきがんろく) 第81則 薬山麈中麈(やくざん しゅちゅうしゅ)
本則
修行僧、薬山に問う、「平田浅草、麈鹿群をなす。如何(いかん)が麈中(しゅちゅう)の麈を射得せん?」。
山云く、「箭を看よ」。
僧、身を放って便(すなわ)ち倒る。
山云く、「侍者(じしゃ)、この死漢(しかん)をひきずり出せ」。
僧便ち走(にげだ)す。
山云く、「泥団を弄する漢、なんの限りかあらん」。
雪竇(せっちょう) 拈(ねん)じて云く、「三歩には活すと雖(いえど)も、五歩には須(すべか)らく死すべし」。
注
薬山:薬山惟儼禅師(751?~834?)。曹洞禅の源流を作った禅師。
法系:六祖慧能→青原行思→石頭希遷 →薬山惟儼
平田:広々とした草地。
泥団を弄する漢:泥の固まりをいじくる男。
麈(しゅ):大鹿、鹿の王。
本則
ある僧が、薬山惟儼禅師に聞いた、「広い野原に、多くの鹿と大鹿(麈)がいます。私はその群れの中の大鹿(麈)だと言えます。 どうしたら大鹿の中の大鹿(麈)のような私を射止めることができましょうか?」
薬山はキリリと弓を引き絞る様子をして言った、「さあ、射止めたぞ。箭を看よ」。
それを見ると僧は身を投げ出して、倒れた。
薬山は言った、「侍者よ、この死んだような奴(死漢)をひきずり出しなさい」。
僧はそれを聞いた途端走って逃げ出した。
薬山は言った、「泥の固まりをいじくるような男だ。こんな男を相手にしていたら切りがないわい」。
後に、雪竇はこの公案についてコメントして言った、 「この僧は三歩くらいは歩いて活きたフリをしていても、五歩も歩けば死んでしまうような男だ」。
垂示に言うような、薬山の電光石火の活きた指導ぶりが見事である。
⇒ この若い修行僧、大言壮語してしまった。
師は射殺(いころ)した。
本則
修行僧、薬山に問う、「平田浅草、麈鹿群をなす。如何(いかん)が麈中(しゅちゅう)の麈を射得せん?」。
山云く、「箭を看よ」。
僧、身を放って便(すなわ)ち倒る。
山云く、「侍者(じしゃ)、この死漢(しかん)をひきずり出せ」。
僧便ち走(にげだ)す。
山云く、「泥団を弄する漢、なんの限りかあらん」。
雪竇(せっちょう) 拈(ねん)じて云く、「三歩には活すと雖(いえど)も、五歩には須(すべか)らく死すべし」。
注
薬山:薬山惟儼禅師(751?~834?)。曹洞禅の源流を作った禅師。
法系:六祖慧能→青原行思→石頭希遷 →薬山惟儼
平田:広々とした草地。
泥団を弄する漢:泥の固まりをいじくる男。
麈(しゅ):大鹿、鹿の王。
本則
ある僧が、薬山惟儼禅師に聞いた、「広い野原に、多くの鹿と大鹿(麈)がいます。私はその群れの中の大鹿(麈)だと言えます。 どうしたら大鹿の中の大鹿(麈)のような私を射止めることができましょうか?」
薬山はキリリと弓を引き絞る様子をして言った、「さあ、射止めたぞ。箭を看よ」。
それを見ると僧は身を投げ出して、倒れた。
薬山は言った、「侍者よ、この死んだような奴(死漢)をひきずり出しなさい」。
僧はそれを聞いた途端走って逃げ出した。
薬山は言った、「泥の固まりをいじくるような男だ。こんな男を相手にしていたら切りがないわい」。
後に、雪竇はこの公案についてコメントして言った、 「この僧は三歩くらいは歩いて活きたフリをしていても、五歩も歩けば死んでしまうような男だ」。
垂示に言うような、薬山の電光石火の活きた指導ぶりが見事である。
⇒ この若い修行僧、大言壮語してしまった。
師は射殺(いころ)した。