
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49255110R30C19A8EAF000/
8月の中国景況感、4カ月連続で節目下回る
中国国家統計局が31日発表した2019年8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月より0.2ポイント低い49.5だった。拡大・縮小の節目となる50を5月から4カ月連続で下回った。米国による追加関税の打撃が重荷になっている。
PMIは製造業3千社へのアンケート調査で算出し、生産や新規受注が50を上回れば拡大、下回れば縮小を示す。
PMIが悪化するのは5月以来、3カ月ぶり。個別の項目をみると、生産は前月より0.2ポイント低い51.9となり、2カ月ぶりに悪化した。新規受注は同0.1ポイント低い49.7となり、4カ月連続で節目の50を割った。
雇用も同0.2ポイント低い46.9に悪化した。国務院発展研究センターの張立群研究員は「需要不足が経済を下押ししている。内需を拡大し、できるだけ早く下押し圧力を和らげるべきだ」と語った。
米国との貿易戦争が足を引っぱる。輸出に限った新規受注は前月比0.3ポイント高い47.2だった。小幅に改善したものの、昨年6月から15カ月連続で節目の50を下回った。輸入は同0.7ポイント低い46.7だった。昨年7月から50を下回っている。
米国は19年5月、2千億ドル(約21兆円)分の中国製品への追加関税を10%から25%に上げた。9月1日からは約1100億ドル分に15%の追加関税をかける予定だ。輸出が減ったり、設備投資が先送りされたりと中国経済への影響が広がる。