
34万円のサマーキャンプの効果 子供は別人のように変化
2018年9月8日 7時0分
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/15275107/
毎年夏休みに、総勢21名の子供たちが30泊31日のキャンプを行う「夏のガキ大将の森キャンプ」。野営、自炊がメインで34万円という費用にもかかわらず、例年キャンセル待ち続出で、4人きょうだい全員を順番に参加させるケースも。
1日1万円以上払ってでも、子供のキャンプ参加を親たちに踏み切らせるものは何か。21名のガキ大将予備軍を追った。
「『このままではご飯が本当に食べられない』という危機感、これが大事なんです。そこから本気で頑張るようになって、最後は執念。これまでかつて、最終的に火がおこせなかった例はありません。
人間、死にもの狂いになれば何だってできる。それを実感してもらうための“サバイバル”なんです」(ハローウッズ森のプロデューサー・崎野隆一郎さん)
◆帰りたいけど、34万円を無駄にできない
「今年は、暴れる子もいないし、デキる子が多い。ちょっとつまらないなあ」
炎天下、ホンダならではのバイク講習とオフロード走行プログラムに夢中で取り組む子供たちに「大丈夫か?」「水飲めよ」と声をかけながら笑う崎野さん。
数日後に迫ったサバイバルキャンプ(3泊4日で行い、チームで協力して、きりもみ式で火種を生み、焚火に育てる。
火をおこせなかったらチーム全員食事抜きが掟)も、子供たちは連日、火おこしの練習を重ねていたし、少なくとも1チームは火をおこせないだろうが、最終的には何とかなると踏んでいた。
ところが、翌日も、翌々日も、キャンプから煙が上がることはなかった。前代未聞の全員5食抜きである。
しかも子供たちは、執念を見せるどころか、チームはバラバラ、やる気を喪失して、崎野さんの「バカヤロウ」にも反応しなくなっていった。
子供たち同様、崎野さんも水と栄養補助ゼリーしか口にしていなかったが、子供たちと火おこしの手順をおさらいしつつ、心の片隅で「こんなのやってらんない!」と、反旗が翻ることを期待してもいた。
だが、子供たちはどんどん自分の殻にこもっていく。声にならないなら、文字で心に渦巻いているものを吐き出させよう…。崎野さんは、作文を命じた。