高校までの数学は、具体的な数とか関数とか方程式とかを計算するのがメインであり、集合論は明示的には使われない(もちろん全く使わないわけではない)。
一方、大学の数学では、対象を「集合とその上の付加構造の同型類」であると見なすことが一般的である。
この2つには、数学を表現する流儀としては、相当なギャップがあるように思われる。
なぜ、数学はこのような方向に進んだのだろうか?
「2つの整数m, nに最大公約数が存在する」というのは、m, nの性質というより整数全体の集合Zの性質
中間値の定理は関数fの性質というより、実数全体の集合Rの性質
ごく初等的な結果でも、集合の元全体の構造を考えることが有効。
学問の世界全体で構造主義が流行ったからですよ
その流れにのっかってブルバギが色々仕事をして、それが上手くいったからみんなそれを使ってるだけです
現代では集合指向からさらに抽象化して、射指向・普遍性指向とかにはなったのだろうか
現代数学的には色々なものをできるだけ静的に扱いたい
特に「性質」を静的に扱おうとすると「性質を持つものの全体」を考えるのが自然で、これがまさに集合と呼ばれるもの
もちろん集合によらずに数学を基礎づけることは可能だろうが、まともなレベルで厳密で、解析学やらを展開できる程度の豊かさを持ってるものってなるとなかなか大変
> 2つの整数m, nに最大公約数が存在する
こんなのに集合いらねえよ
数学の歴史で集合なんて出てきたの最近だぜ
それまでは数論も全部集合なしでやってた
具体的な行列の作用とかだけ調べるならともかく、代数系は集合として定式化しないと、剰余群とかは出てこないんじゃないかな
もちろん普遍性で定義できるから、原理的には集合として構成する必要はないが。そういう発想・手法が生じにくいという意味。
数学は対象に不変量を対応させる学問だからね
何で不変なのかという基準が構造