『帝都大学評判記』 昭和9年
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1465891/79 「日大は空疎なものを誇大に宣伝すると同時に、経営を極端に合理化している。
不完全な設備を二重、三重に利用し、少しでも無駄のないように努めている。
教授講師を見ても、専任教授はほんの申し訳程度で、あとはみんな外部から
借り物の講師でお茶を濁している。その講師も、知名の士を2、3人ずつ、
1週に1時間か2時間くらい雇い、而もその名前をデカデカと発表して、
看板教授に仕立てあげ、学生を吸収しようとしている」
「専門部には法律科、政治科、商科、経済科、文科、社会科、宗教科がある。
それから4ヶ年制の歯科があり、5ヶ年制の医科があり、3ヶ年制の工科がある」
「高等師範部には修身公民科、国語漢文科、地理歴史科、英語科がある」
「その外に高等工学校、歯科医学校、日本大学芸術学園、第一外国語学校等がある」
「大阪へ行くと、中河内郡に日本大学大阪専門学校と日本大学大阪中学校とが同居している」
「三崎町や駿河台の本部へ行くと、二部教授はおろか三部教授までやって、
貧弱な設備を最大限度に利用して、利潤をあげようと腐心しているのに比較すると、
普通部の二部教授などいい方であろう。その他に、工科の設備を三重に利用するべく、
日本大学工業学校と日本大学工学校がある。何れも夜学である」